アラサー独身男子の日々

株の話題、交通ネタが多めになると思います。イラストはのをか様(Twittter@nowoka_)に描いていただきました。

松本は東京近郊区間!? はみ出し購入で途中下車できる切符を購入しよう

良い制度? 悪しき制度? 東京近郊区間制度とは

詳しい内容は下記の通りです。

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私が勝手に作った格言「時刻表を読み解けば人生で10万円トクをする」のトクする事例の1つです。

JRには知っている人は知ってるし利用しているけど知らない人は全く知らない「途中下車制度」というのがあります。

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簡単に言えば100kmを超える切符であれば経路内の駅で途中下車できるという制度です。この制度を活用して、大阪から営業で広範囲を回る場合などに、1日目は名古屋、2日目は静岡、3日目は東京、というような日程でも大阪~東京までの乗車券のみで途中下車しながら回る事が可能です。ただ、JRも民営化してからどんどん阿漕な商売になっており、この途中下車制度を封じようとする規則が誕生しました。それが大都市近郊区間の特例です。

 

 大都市近郊区間の特例とは?

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●図のそれぞれの大都市近郊区間内のみを普通乗車券または回数乗車券でご利用になる場合は、実際にご乗車になる経路にかかわらず、最も安くなる経路で計算した運賃で乗車することができます。
●重複しない限り乗車経路は自由に選べますが、途中下車はできません。途中で下車される場合は、実際に乗車された区間の運賃と比較して不足している場合はその差額をいただきます。

この特例が一般的に利用される例としては千葉方面~川崎方面へ移動する際かと思います。

総武線各駅停車で千葉方面から川崎方面へ抜ける場合、通常の乗換であれば秋葉原で京浜東北線や山手線に乗り換え、新橋で東海道線に乗り換えるのが一般的かと思いますが、運賃計算上は錦糸町から総武線快速の通る東京トンネル経由で計算されます。

現実的に遠回りした方が便利で早い上、検札の手間を考えると特例でOKにした方が良いと言う事務的な理由だと思うのですが、この特例にはひっそりと「途中下車が出来ない」という一文が隠れています。

それもまぁ当然で、100kmを超える切符でこの特例を拡大解釈されて都内の好きな駅で途中下車されたら堪りません。

が、今やこの特例をJR側が拡大解釈させ、この大都市近郊区間をあまり必要性があるとは思えない新潟にまで拡大させ、さらに全く無いと思われる福岡や仙台地区にも導入しています。

が、最も悪名高いのが東京近郊区間の松本までの延長です。Suica利用の場合への便宜を図ったものと言うことですが、そのような場合には伯備線・吉備線のICOCA特例のように処理すれば良いだけの話で、この東京近郊区間の拡大はひとえに途中下車潰しの施策と言っても過言では無いでしょう。

途中下車は特に東京周辺では列車本数も多いので気軽に途中駅で乗り降りでき、効用が高いです。そのため途中下車封じは非常に痛い。

しかし、この途中下車封じですが特定の場合には回避することが可能です。それが1駅はみ出しテクニックです。

1駅はみ出しとは

目的地の駅を大都市近郊区間から1駅だけはみ出させるというテクニックです。松本駅が目的地であれば北松本まで切符を購入。甲府が目的地であれば金手まで切符を購入することで今までどおり途中下車が可能になります。

特に甲府へ行く際の金手への1駅はみ出し効果は絶大で、東京県内から甲府は割と行きそうな目的地なので使い勝手が良い上に金手はJR東海の駅ですので今後この東京近郊区間に編入される可能性は低いでしょうから余計に良いです。

実際の活用法・具体例

市川から甲府に行く場合を考えます。
市川から甲府まで通常どおり乗れば乗車券運賃は2,592円(IC利用)。

しかし前日に船橋に用事があるという場合を考えます。
市川から船橋まで165円で往復で330円必要になります。

そのため、翌日の甲府行きの用事と合わせて2,992円必要です。

しかし、途中下車制度を活用することで値段を下げることができます。

市川から船橋まで165円で向かった後、船橋から金手までの切符を買います。
すると船橋から金手までは2,590円で、既に2円安くなります。その理由は交通系ICの料金決定方法にあり、Suicaエリア内かつ幹線・地方交通線エリアであれば、切符の料金はIC料金に対して四捨五入で決定します。

金手はSuicaエリア外で切符購入しか出来ない為、四捨五入適応で2,920円になるのです。なので市川~甲府まで切符で購入した場合も2,920円となります。

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市川~甲府と船橋~金手で料金区分が一緒で、かつ船橋~金手の切符は途中下車が可能なのでその日は家のある市川で下車した場合でも改札機から切符がはき出されます。

船橋から金手は155kmですので切符の有効期限は2日です。
なので、その切符で翌日甲府まで行くことが可能です。

そのため、この金手はみ出しを活用することで船橋~市川間の165円を節約できてしまうのです。

この途中下車制度は後戻りしない限り有効ですので、例えば秋葉原や新宿などでも途中下車し放題です。夕方までに甲府に着いていれば良いのであれば、途中下車しながらショッピングも可能です。

途中下車制度を活用しよう

途中下車制度は基本的にユーザーにとって有利な制度にもかかわらず、あまり活用している人が居ないように感じます。

最近は新幹線網が発達して1日で日本全国どこへでも行けるようになって途中下車制度すら知らない人も多いかもしれません。

しかし、この制度を知っているだけで細々した場面で移動費を節約することが可能です。

旅行や出張の際には途中下車制度・はみ出し購入を有効活用して少しでも運賃を安く出来ないか検討してみてはいかがでしょうか。