ETFに新しく加わったETFMAXIS 米国株式(S&P500)(2558)と全世界株式(オール・カントリー)(2559)は、まさに待ってたETF!
少し前になってしまいますが、2020年1月1日に東証ETFに個人投資家注目のETFが2件、上場しました。
この2つ、何故注目されていたのかというと、その信託報酬の安さによるものです。
従前より設定されているemaxis slimシリーズの同様の指数を使っている投信と信託報酬を比較してみましょう。
指数 | MAXIS | emaxis slim |
S&P500 | 0.0858% | 0.0968% |
オールカントリー |
0.0858% |
0.1144% |
注:税込emaxis slimは500億円以下の手数料率 |
ということで、MAXIS(ETF)の方がemaxis slimよりも10~15%も信託報酬が安いという、とても魅力的な商品に仕上がっています。
ただ、楽天証券で投資を行った場合、emaxis slimシリーズには0.048%の楽天スーパーポイントが付き、MAXISの方は貸株で0.2%の貸株料しかつかない為、実は楽天で積み立てている人にとってはemaxis slimの方が実質的な手数料は低いのですが、どちらも楽天が独自に提供しているサービスですし、最近の低コストインデックスファンドに対して楽天スーパーポイント付与はかなり高率な設定となっていて、今後改正の可能性も高いのであくまで参考程度にしておいてください。
まぁ、MAXISもemaxis slimも、どちらもかなり手数料水準は低くなっているので、そのまで気にすることなく好きな方へ投資すればいい、という意見もあります。
実際、0.1%の手数料と言うと、100万円につき年間1,000円余ということもあり、またMAXISとemaxis slimの手数料差となると100万円につき100円ちょっと、という水準であり、好みでどちらを選んでもいい、とも言えます。
そういう意味では、今までemaxis slimで積み立てを行ってきた人にとっては今回のETF設定について、そのまでインパクトのあるニュースではないかも知れません。
しかし、このETFの真の魅力は手数料以外の部分にあります。
MAXIS ETFの真の魅力
2558,2559の魅力は実は手数料ではありません。ETFという通り、市場で買い付けることが出来るという点です。
今まで普通のオープン投信を買ったことが無く、馴染みがない…。という方でも市場を通じて買付が可能なので、普段から個別株取引をしている人にとって敷居が低いです。
実際、私の周りでも個別株しかやったことない人に勧めると、投資信託を購入するよりも手軽に始められてるようでした。
合わせて、2558,2559ともにマーケットメイクの対象銘柄になっているのも注目です。
どちらのETFも常に理論価格が存在しているのですが、ETFは市場で取引されている関係から乖離が大きく発生する場合があります。
しかし、マーケットメイク対象銘柄となることで、機関投資家などが価格を適正に保ってくれるため、安心して購入することが可能です。
そして、最も大きなメリットは換金までの時間が短いこと。
イーマクシススリムシリーズの特に外国株式を扱うものは換金までにかかる日数が長く、米国株式(S&P500)で5営業日、オールカントリーで6営業日掛かってしまうのですが、ETFであればわずか2営業日で換金が可能です。
これにより、より資金を流動的に扱うことが出来るようになるので、より気軽に普通預金感覚で売買が可能になります。
選択肢が広がるのはいいことだが
今回のMAXISシリーズの設定は私の中ではかなり大きなニュースだったのですが、1日の出来高は1000株前後であまり伸びてない印象です。
手数料は安いとはいえ、購入価格が一定でないことや、約1万円単位での購入が必要など、オープン投信から流れてきている人は少ない印象です。
個人的に心配なのは、このままこの優秀なETFが取引不足で事実上の停止に追い込まれないかということです。
未だに取引が少ないのは、手数料についての知識が少ない個人投資家が多数を占めていることの証左でしょうし、今後だんだんと知名度が上がっていくと取引量が増えていくとは思いますが、現状emaxisとMAXIS、どちらも最安値で追従出来ている運用会社が無いのもネックです。
取りあえず私は換金までの営業日が少ないのが魅力なので、数株購入したいと思います。
ただ、楽天証券の方がポイントを含めた手数料率が低いので、基本はemaxis slimシリーズをメインで購入していこうと思います。