国債に関して勘違いしている人が多いからとりあえずこの本読んどけ
とりあえずこの本を読んでおきましょう。
『国債は安定した資産だ』と勘違いしている人が多すぎます。
また、『国債だから安全とは言えない』という人も『国家破綻の危険性が』とか極端な信用リスクの話をしている人も多いです。
国債は国家が破綻しなくても一定のリスクが有ります。国債を購入して定期預金より良い利回りで運用する利益の対価として私たちが払わなければならないのは流動性リスクです。
流動性リスクって?
すぐに現金化できないリスクです。
当然、国債は償還期限が来るまで現金化できません。個人向け国債では2回目の利子支払い以降は額面割れを起こさずに償還させることが可能ですが、その分利率は銀行のキャンペーン金利並ですし、売却するにしても個人相手にしか出来ず、先物市場も無いので個人向け国債市場は機関向け以上にクローズドです。というか個人向けの市場が存在するのかも謎です。
流動性が無いと言うことはすぐに換金しようとすると不利な価格で売却せざるを得ませんし、仲介業者に支払わなければならないコストも大きくなってしまいます。
国債の利回り変動リスクについて
例えば今現在の10年国債の金利は0.3%程度です。国債は単利ですが利回りは複利換算なので、現金100万円分の国債を購入した場合、10年後にはざっと103万程度の価値が有ります。
が、この0.3%利回りの国債を購入した次の日に突然国債利回りが2%まで上がったとします(現実には徐々に上がっていきますが分かりやすく説明するため)。では、0.3%の頃に購入した国債の価値はどうなるでしょうか。
利回り2%の国債ということは、100万円の国債が10年後にざっと122万円になっています。
これを10年後に103万になる国債と比べると19万もの差が発生します。
つまり今保有している国債の価値は突然19万も下がってしまうのです。100万円で買った10年後に103万貰える権利は約84万でしか売れないのです。当然、国債を主として運用している投資信託の価値は約16%下がります。
何も知らずに債券に手を出すなら株式の方がいい
こういった債券の根本的な性質を理解せずにデフォルトリスクのみ着目して債券を購入している人が多いように感じます。流動性リスクを勘案できないのであれば国債に手を出すべきではありません。
私は流動性リスクをかなり恐れています。なので公的年金を除いて長期投資は行っていません。10年の養老保険までです。
私としてはリスクは増えるものの歴史的に利回りが大きいのに加え、リスクが広く理解されている株式の方が最初の投資には最適だと思っています。
暫く投資を行ってリスクについて理解が進んでから、リスク分散として国債に手を出すのがいいでしょう。
良く本屋で売ってある本には株式より国債の方がリスクが低いように書かれています。
これは正しいのですが、その一言では国債の方がリスクになる可能性が十分に有ることを説明しきれていません。
私の意見では、初めて投資をするなら株から。
株がもっともクラシックでシンプルな商品です。まずは株を理解してから投資信託や債券、為替、デリバティブなどに手を出していくべきでしょう。
※流動性リスクの説明分のあたりで全体構成に誤りがあったので加筆修正しました。申し訳ありません。