映画「夜は短し歩けよ乙女」を見てきた
四畳半神話大系のアニメを見てから森見登美彦の物語にハマったミーハー系モリマーですが、今回映画化された「夜は短し歩けよ乙女」を見てきました。
あらすじ
クラブの後輩である”黒髪の乙女”に思いを寄せる”先輩”は今日も「なるべく彼女の目にとまる」ようナカメ作戦を実行する。
春の先斗町、夏の古本市、飽きの学園祭、そして冬が訪れて…。
京都の町で、個性豊かな仲間達が次々に巻き起こす珍事件に巻き込まれながら、季節はどんどん過ぎてゆく。
外堀を埋めることしかできない”先輩”の思いはどこに向かうのか!?
なんかあらすじはワクワクしますよね!
ただ他の作品を知らずにいきなりみると楽しめないかも
森見登美彦の作品は多くにおいて一つの世界線において何作品も書かれており、大体京都を舞台として登場人物や組織が複数作に登場します。
だからその人たちのキャラクターを知らないと完全に楽しむことは出来ないかも。それと森見登美彦作品特有のスピード感もありなかなか人を選ぶかも知れません。
引用元:星野源、花澤香菜ら「夜は短し歩けよ乙女」完成披露上映会に登壇 - 音楽ナタリー
特にアニメで特徴的な表現としては回想をすべて小説原文ママセリフとしてしまうところで、饒舌ながら滑稽な森見登美彦作品の言い回しを読み上げるのでとにかくセリフが多い。セリフの洪水に押し流されそう。
やっぱりモテない人の好きな作品だと思う
森見登美彦の作品に出てくる女性は色々居るものの、基本的にピュアで特にヒロインとして複数の作品に登場する「黒髪の乙女」は正に清純を具現化したような存在でまぁ童貞野郎向けな女性像なわけです。
しかも主人公である「先輩」はどの作品でも童貞こじらせちゃってるひねくれ者として描かれており、私のような非モテの心をがっちり掴んでくれるわけです。
そして小難しくユーモラスな表現を「俺は理解できる」とナルシシズムに浸り、更に最後は「先輩」と「黒髪の乙女」のハッピーなエンドになる流れですので、まさに童貞のためのアニメ! なのでございます。
実際モテる人は森見登美彦の作品をどういうふうに楽しむのだろうか。非モテとは違う楽しみ方がありそうで興味あります。
突き抜けた意外性は無いが良作
2016年は様々な名作アニメ映画に恵まれましたが、それらと比べれば、まぁ落ちることろに落とした、といったような作品でした。
ただ、わずか93分という映画の時間枠の中に濃密に森見登美彦ワールドが挿入されており、実際にはもっと長い間映画を見ていたような錯覚に陥ってしまうほど楽しめた作品です。
森見登美彦作品が好きな人は是非見るべき、知らない人ものめり込む要素はあり、駄作ではないので時間を見つけて見に行くと人生に潤いを与えてくれるかもしれません。