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アラサー独身男子の日々

株の話題、交通ネタが多めになると思います。

映画マネーショートとリーマンショックを語る

映画『マネーショート』を見て

多分ネタバレありです。ノンフィクションにネタバレも何もあったものじゃないですけど。

eiga.com

これ邦題はマネーショートということで、『お金がショート(短絡)して爆発、故障』みたいな意味に取れると思うのですが、原題は『THE BIG SHORT』という事で『大きな空売り』という意味になるので全く変わってきます。ショートの意味を上手に変えたのか、はたまたショートの意味を訳者が分かってなかったかは分かりませんが…。

 

さて劇場で公開されてもうずいぶん経つ気がしますがネットフリックスで公開開始されたので何度も見直しています。この映画、私は相当好きみたい。

劇場でもこの映画は見ましたがまさに手に汗握る内容で、結果はわかっているのにずっとドキドキしてしまいました。ただ見始めた時から思っていましたが、この映画は見る人を選ぶなと。実際映画を見ていて初めて中座をする人を見ました。

なんか難しい言葉が多い

この映画は難解な言葉が沢山出てきます。話の最中できちんと説明が入るので株の事を知らない人でも一応見れるようになっていますが、まずロング・ショートの意味を知らないレベルの人は置いてけぼりをくらいます。株なんてやったことありませんという人にはかなり厳しい内容です。

よくこの映画の紹介サイトにこの映画は分かりやすく説明している。みたいなことを書いていますが、実際には全くそんなことはありません。

分かりやすく説明を入れてくれるのはサブプライムローンの証券化とかCDOとかその辺なのですが、例えば「モーゲージ」の意味は知ってて当然ですよね。みたいなスタンスで来られるので、殆どの人にとっては退屈で雰囲気でしか楽しめない内容になっていたでしょう。実際に放映終了後に映画館から出ていく人たちの顔は退屈そうでした。

内容が一般人ウケしない

まぁはっきり言って香川の田舎に住んでいる人たちで封切り当日とは言え、10年近く前のサブプライムショックをまさに相場で、肌で感じていた人なんて私と良くてもう1人くらいだろうなぁって感じなわけです。99%はサブプライムショックの名前くらいは知ってます、って人なわけです。

そんな人たちが期待する内容ってなんでしょうか。それはもちろん悪のトレーダーを正義の味方がコテンパンにする内容なわけです。

でもこのマネーショートはそんな映画じゃありません。市場の歪みを見つけた3組のトレーダーのその後の行動の話であり、それは当然、正義の味方チックに正しい市場に導くために講演を行うのではなく、CDSを買うわけです。

このブログを読んでいるような人たちならきっとこの映画の登場人物と同じような行動を取るでしょうし、共感出来るでしょうが、一般人にとってはスカッとする内容でもなくまぁハッキリ言ってつまらないと思います。

この映画は本当のサブプライムショックをきちんと映していると思うすばらしい映画だとは思いますが、どうしても一般人には難しい内容だったのかなと思ってしまう惜しい映画でした。

リアルだから。

 ただこの映画リアルだから。悪い意味での映画的演出も一切無かった。監督がその辺正直なのか、あるエピソードの場面でカメラに向かって「実際はこうじゃなかった」とメタ発言するのである。それくらいヤラセが無い。

だから内容もドキュメンタリーとしても十分に見ることが出来たしリアルだった。なのですごく手に汗握った。

しかも完全にドキュメンタリーかというとそういうわけではなく、笑わせる演出やトレーダーの心の葛藤などドラマやコメディとしても十分に楽しめて全く飽きません。サブプライムショックの内容がリアルなので、ドラマ的要素の部分もリアルな話なんだなという説得力がある。まぁとにかく内容がリアル、あるいはリアルと感じさせてくれるんですよね。

まあ取り敢えず見てください。ネットフリックスで公開されているので。ある程度株やってる人にはめちゃくちゃおもしろいです。

The Big Short | Netflix

私が実際に経験したサブプライムショック

私はこれでもサブプライムショックを経験した1人です。あの頃はFXでしたが…(もうやりません)

サブプライムショックが始まった頃の2007年夏頃、急激な円高に私の保証金はあっという間に底をつき、バイト代をつぎ込み続けたものの最終的には30万円の損失を出して敢え無く退場となりました。

私は就職活動が控えていた事もあってかなりナイーブになっていました。このままでは採用が一気に絞られてしまうかも知れないと。

私は経済学部だったのですが、そんなサブプライムショックの危機を感じている中、必ずサブプライムショックの話は講義の導入で話されるに違いない、と思っていました。

しかし、市況がどんどん悪くなっていくにもかかわらずサブプライムショックのサの字も出てきません。その時私は思ったのです。経済学というのは実態経済とは別の場所で動いている学問だ。この話題を触れるのは適当ではないということだろうと。

そう最初は納得していました。

しかし、リーマン・ブラザーズが倒産した途端にサブプライムショックの話を授業中に折り込み始めたのです。その時私は貴重な経験が出来たと思いました。この人たちはサブプライムショックを知っていて話していなかったのでは無い、本当に、全く知らなくてテレビでサブプライムショックの話をし始めて初めて知ったんだと。ドクターまで撮っていながらただの馬鹿でしかなかったと。

また、ドル円では円高になっているのに、円以外のドルストレートがドル高になっているという記事のリードだけ読んで円安ドル高になっていると勘違いしている教授も居ました。チャートという完璧な一次ソースがあるのにそれに当たろうともしない。

また、就職活動中に銀行の面接で「最近気になった新聞記事は」という質問で「ベア・スターンズの破綻」と答えた時には面接担当官がポカーンとしていました(まだリーマン・ショック前)。

就職活動中に彼ら銀行員が目を通しておくべき、という日経新聞を読んでいれば必ず知っているはずの内容です。でも彼らは1面しか読めないので気づかないのです。

こいつらは本当に馬鹿だ、と気付かされたエピソードでした。そして少なくともこいつらは相場で食い物に出来るから、私はこれから先こいつらからは儲けていくことが出来ると自信を持つことができました。

で、これってすごくマネーショートの内容と似てるなと。結局肩書なんてタダのバイアスでしかなく、本当の事を知るものは別に偉い人ではないと。

そして、最終的に市場は正しい方向に進み、間違っていた馬鹿は金を奪われるのだと。

この時の経験は私の投資スタイルに大きく反映されていて、情報にバイアスがかかっていないかというのは必ず考えるようにしています。

本当に価値のある情報なのか、提灯記事なのか判断出来なければなりません。

今、市場に残っている人の大半はリーマンショック後に投資を始めた人だと思います。逆に言えばリーマンショックで多くの投資家が退場したのです。

リーマンショック後の人はまだ大きな下落を経験していないのでちょっとした情報による小さな値動きで利益を得たり損したりして満足しています。

それは非常に危険です。大きな下落が来た時に耐えられるだけのポートフォリオを構築して置かなければなりません。

そのためにも、投資とは何なのか、バイアスを取り除いてきちんと考えることが大切でしょう。